夜間・休日、子どもの急病で困ったら:まず確認することと相談窓口・病院の目安
子育てをされている中で、お子さんが急に体調を崩し、特に夜間や休日で医療機関の診療時間外であった場合に、どのように対応すれば良いか不安を感じることは少なくないでしょう。共働きのご家庭では、仕事の調整なども含め、さらにその不安は増すこともあるかと思います。
このページでは、夜間や休日にお子さんが急病になった際に、親御さんが落ち着いて対応するためにまず確認すべきこと、利用できる相談窓口、そして病院を受診する目安についてご案内します。
まず落ち着いて:お子さんの様子を観察しましょう
お子さんの急な体調変化に直面すると、どうしても慌ててしまいがちです。しかし、冷静に対応するためには、まずお子さんの様子を落ち着いて観察することが重要です。
以下の点に注目して確認してみてください。
- 意識・顔色: いつもと比べて意識がはっきりしているか、ぐったりしていないか、顔色はどうか。
- 呼吸: 呼吸は苦しそうか、いつもより速いか、不規則ではないか。
- 熱: 体温を測り、何度あるか。熱以外の症状はあるか。
- 嘔吐・下痢: 何度も吐いているか、水のような下痢か、血が混じっていないか。水分は摂れているか。
- 全身の状態: けいれんはしていないか、体のどこかを痛がっていないか、いつも通りの反応があるか。
- 機嫌: 泣き止まない、不機嫌が続くなど、普段と比べて著しく機嫌が悪いか。
これらの観察は、後に医療機関や相談窓口に連絡する際に、症状を正確に伝える上で非常に役立ちます。可能であれば、症状が出始めた時間、経過、試したケア(解熱剤の使用など)についてもメモしておくと良いでしょう。
受診を迷ったときに利用できる相談窓口
夜間や休日に「すぐに病院に行くべきか、もう少し様子を見ても大丈夫か」と判断に迷うこともあります。そのような場合に活用できる相談窓口があります。
小児救急電話相談(#8000)
これは、お子さんの急な病気で困った際に、専門家からアドバイスをもらえる電話相談窓口です。「#8000」をプッシュすると、お住まいの都道府県の相談窓められます。
- 対象: おおむね15歳未満のお子さん
- 受付時間: 各都道府県によって異なります。事前に確認しておくと安心です。
- 相談員: 小児科医師や看護師などが、病状に応じた適切な対応方法や受診の要否についてアドバイスを行います。
これはあくまで電話相談であり、診断や治療を行うものではありません。しかし、医療機関を受診すべきかどうかの目安を知る上で、大変有効な手段です。
自治体独自の医療相談窓口
一部の自治体では、小児救急電話相談とは別に、独自の医療相談窓口を設けている場合があります。お住まいの自治体のウェブサイトなどで、どのようなサービスが利用できるか確認しておくことをお勧めします。
夜間・休日診療が可能な医療機関について
相談窓口のアドバイスや、ご自身の判断で医療機関の受診が必要と感じた場合、夜間や休日に診療している医療機関を探すことになります。
休日夜間急患センターなど
多くの地域には、休日や夜間に初期の救急医療を行うための「休日夜間急患センター」やそれに準ずる医療機関があります。比較的軽症の患者さんを対象としていることが多いですが、まずはこちらに連絡してみることも一つの方法です。
救急外来
より重症である可能性がある場合や、休日夜間急患センターでは対応できない症状の場合は、病院の救急外来を受診することになります。しかし、救急外来は本来、生命に関わるような重篤な患者さんを受け入れるための施設です。そのため、緊急性の低い症状で受診すると、待ち時間が非常に長くなったり、本来対応すべき重症患者さんの診療を妨げてしまったりする可能性があります。
【重要】受診前に必ず電話連絡を
どのような医療機関を受診する場合でも、必ず事前に電話連絡をするようにしてください。
- 現在の症状、熱の高さ、いつから症状があるかなどを正確に伝えます。
- 来院して良いか、受け入れ可能かを確認します。
- 受付時間や受診の際の注意点、必要な持ち物(健康保険証、乳児医療証、お薬手帳など)を確認します。
- 休日夜間急患センターや救急外来では、必ずしも小児科医が対応するとは限りません。お子さんの年齢や症状によっては、対応が難しい場合もありますので、電話で確認が必要です。
家庭での応急処置・ケア
医療機関を受診するまで、あるいは受診が不要と判断された場合の家庭での基本的なケアについてです。
- 発熱: 無理に熱を下げることだけを考えず、お子さんが眠れているか、水分は摂れているか、辛そうかどうかを観察します。熱で辛そうであれば、医師から処方された解熱剤を適切に使用します。衣服を調整したり、脇の下や首筋を冷やしたりすることも有効です。
- 嘔吐: 嘔吐した後は、無理に水分を与えず、しばらく胃を休ませます。落ち着いてから、スプーン1杯などごく少量ずつ、経口補水液や薄めたイオン飲料などを与えてみます。一度にたくさん与えると再び吐いてしまうことがあるため注意が必要です。
- 下痢: 水分が失われやすいので、経口補水液などでこまめに水分補給を行います。食事は、消化の良いものを少量ずつ与えます。
- 水分補給: 発熱、嘔吐、下痢など、どのような症状でも脱水には注意が必要です。お子さんが欲しがるタイミングで、こまめに水分を与えるように心がけてください。
これらの家庭でのケアは一般的なものであり、お子さんの症状によっては適切な対応が異なります。判断に迷う場合は、前述の相談窓口や、かかりつけ医に相談してください。
まとめ
夜間や休日に子どもの急病に直面することは、親御さんにとって大きな不安を伴う出来事です。しかし、慌てずにお子さんの様子を観察し、利用できる相談窓口(#8000など)を活用することで、適切な判断や行動につながります。
また、やみくもに救急外来を受診するのではなく、まずは電話で相談したり、休日夜間急患センターの利用を検討したりすることで、医療資源の適正な利用にも協力できます。
本サイトでは、他にも子どもの急病に関する情報や、病児保育などのサポート制度について詳しく解説しています。是非、他の記事も参考になさってください。